- 拙訳書『彼女の最初のパレスチナ人』(小学館)への素敵な感想を有り難うございます! 「私たちにも極めて日常的な描写に、百年の民族浄化がそっと籠められ、」と本作ならではの特徴を見事に表現していただき、有り難く思います。
- サイード・ティービー 『彼女の最初のパレスチナ人』(大津祥子訳・小学館)。 パレスチナ人の両親のもとクウェートで生まれ、現在はカナダに住む作家による小説集。いずれの短編もパレスチナ移民・難民を主人公に据える。 集中の白眉は、掉尾の『人生を楽しめよ、カポ』だろう。SNS、ヘッダーやハッシュタグ、Zoomなど、私たちにも極めて日常的な描写に、百年の民族浄化がそっと籠められ、ついには何の悪意もなかった小さな家族の破局へ至る。 主人公を責める資格が、私たちにあろう筈もない。かれらを追いこんだのは、あくまで加害者側に立つ私たちであり、だからこそ今、パレスチナについて語ることを止めてはならないのだ。