- こんなん
- 変身前
- ■ストーリー■ 遥か上空に浮遊城塞『グラズヘイム』が鎮座し、地上の民を見下ろす世界。 支配階級である貴族たちは、地上を「代わりのきく消耗品」と見なし、逆らう者には空から魔法による焦土化攻撃——通称「青の断罪」を降らせていた。 地上の治安維持を担うのは、皇家に飼われたエリート騎士団。 その中でも、汚れ仕事——貴族への背信者を始末する専門とする青年がいた。 狼華騎士ベラドンナ——本名、黒崎キース。 彼は感情を見せず、ただ淡々と鎌を振るう『忠実な僕』として怖れられていた。Feb 4, 2026 12:51
- ある夜、キースに抹殺指令が下る。 標的は、民衆の祈りを一身に受けていた聖女シルヴィ。 教会は彼女を『世界を崩壊させる毒』と認定し、その存在を歴史から消し去ろうとしていた。 「……誰も、私のことなど本当に必要となどしないでしょうから」 少女は怯えることなく、静かに死を受け入れようとする。 彼女の姿を見た時、キースの中で何かが折れる音がした。 それは騎士としての矜持か、それとも彼を縛り続けていた鎖か。 「……残念ですが、任務は失敗しました」
- キースの大鎌が切り裂いたのは、少女の首ではなく、処刑の監視役だった同僚の騎士たちだった。 彼は国を守る誇り高い称号を捨て、世界でただ一人、彼女を守るためだけの「怪物」となることを選ぶ。 ――追手は、かつての戦友である他の『華騎士』たち。 そして頭上からは、貴族たちの激しい砲火が降り注ぐ。 安息の地など、どこにもない。 それでも男は少女の手を引き、本当の自由が待つ『荒野』へと足を踏み出す。